親が同じ話を何度もする…それは認知症の症状かもしれません
「さっきも聞いた話なのに、また同じことを話している…」
認知症の家族を介護していると、このような場面は珍しくありません。
最初は優しく聞けていても、
- 何回も同じ話をされる
- 話が終わらない
- 否定すると怒る
そんな状況が続くと、家族の方が疲れてしまいます。
実際に介護現場でも、
「毎日同じ話を何十回も聞いている」
というご家族は少なくありません。
まず知っておきたいのは、
あなたが疲れてしまうのは当然だということです。
この記事では、認知症の方が同じ話を繰り返す理由と、家族が少し楽になる対応方法を解説します。
「またその話…」と感じてしまうのは自然なことです

認知症の方との会話でつらいのは、話の内容そのものではありません。
何度も同じ話を聞き続けることによる疲労です。
例えば、
- 昔の仕事の話
- 子どもの頃の話
- 同じ心配事
- 同じ質問
を何度も繰り返します。
家族としては、
「さっきも聞いたよ」
「もう10回目だよ」
と言いたくなります。
しかし本人は本当に覚えていないことが多いため、悪気はありません。
だからこそ、
怒ってしまった自分に落ち込んだり、
優しくできない自分を責めたりしてしまいます。
でもそれは介護をしている家族なら誰でも起こり得る反応です。
無理に我慢し続ける必要はありません。
認知症の親が同じ話を繰り返すときの対応方法

結論から言うと、
話を止めようとするよりも、家族が疲れない関わり方を覚えることが大切です。
認知症そのものを家族だけで改善することは難しいため、
- 受け流す
- 共感する
- 一人で抱え込まない
という考え方が重要になります。
認知症で同じ話を繰り返す理由
結論から言うと、
新しい記憶が残りにくくなるためです。
認知症では記憶障害が起こります。
そのため、
- 話したことを覚えていない
- 質問したことを覚えていない
- 同じ出来事を初めて話している感覚になる
ことがあります。
| 家族の見え方 | 本人の感覚 |
|---|---|
| また同じ話 | 初めて話している |
| また同じ質問 | 初めて聞いている |
| 何回も説明した | 説明を受けていない |
家族と本人で見えている世界が違うことを知るだけでも、少し気持ちが楽になることがあります。
「違うよ」と否定し続けない
正そうとし過ぎない方がうまくいくことが多いです。
例えば、
- 「昨日も聞いたよ」
- 「それは違うよ」
- 「何回言えば分かるの」
こういった言葉をいう時は、少なからず不機嫌な雰囲気を出してしまいがちです。
認知症があるとはいえ、快不快の察知には敏感で、本人は不安や怒りを感じることがあり、余計に状況が悪化する可能性があります。
日常会話なら、
- 「そうだったんだね」
- 「大変だったね」
- 「それは心配だったね」
と気持ちに共感するだけで会話が終わることも少なくありません。
家族が疲れないために受け流す技術も大切
毎回100%付き合う必要はありません。
介護現場でも、ずっと話を聞き続けることは現実的ではありません。
例えば、
- 相づちだけにする
- 別の話題に切り替える
- 家事をしながら聞く
- 少し席を外す
なども立派な対応です。
| 疲れやすい対応 | 疲れにくい対応 |
|---|---|
| 毎回全力で聞く | 適度に受け流す |
| 正そうとする | 共感を優先する |
| 一人で抱える | 周囲に相談する |
本人の趣味趣向に関連したものに気持ちを向けることもコツのひとつです。
相撲や音楽、料理番組などは良く使われる手法で、現在では過去の動画や音楽も再生しやすい環境があるため、
うまく活用するのがおすすめです。
距離をあけることも大切な介護です
ずっと付き合い続ける必要はありません。
認知症介護では、
「離れるなんてかわいそう」
「家族なんだから我慢しないと」
と思ってしまう方もいます。
しかし実際には、適度な距離を取ることで家族関係が良くなることも少なくありません。
特に同じ話を何度も聞き続ける状況では、家族の心の余裕が少しずつ失われていきます。
疲れ切ってしまう前に、介護サービスを活用することも大切です。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| デイサービス | 日中の会話相手や活動の場になる |
| デイケア | リハビリや交流の機会になる |
| ショートステイ | 数日間介護を休むことができる |
| 家族以外との交流 | 会話相手が増える |
家族が休むことは決して悪いことではありません。
介護は長距離走です。
まずは介護を続けられる状態を作ることが大切です。
家族のレスパイト(休息)に関連する記事が記事下にありますので、ご覧ください。
ICT機器を活用して安心できる環境を作る
家族だけで見守ろうとしなくても大丈夫です。
認知症が進行すると、
- 同じ話を何度もする
- 同じ質問を繰り返す
- 不安になって何度も電話をかける
といったことがあります。
特に離れて暮らしている場合は、
「今どうしているだろう」
「何かあったらどうしよう」
という家族の不安も大きくなります。
そんな時は、ICT機器の活用も選択肢のひとつです。
| 機器 | できること |
|---|---|
| 見守りカメラ | 室内の様子を確認できる |
| 人感センサー | 活動状況を把握できる |
| スマートスピーカー | 音声で声掛けができる |
| GPS端末 | 外出時の見守りができる |
ICT機器は、
「監視するため」
ではなく、
家族の安心を増やすため
に活用するものです。
介護の負担を少しでも軽くする方法として検討してみても良いでしょう。
家族が限界になる前に相談する
介護疲れは我慢し続けないことが大切です。
同じ話を聞き続けるストレスは想像以上です。
最初は小さな負担でも、毎日続くと大きな疲労になります。
- イライラする
- 優しくできない
- 顔を見るのもつらい
という状態になったら注意が必要です。
介護は頑張り続けることよりも、続けられることの方が大切です。
地域包括支援センターやケアマネジャーへ相談し、使える支援は早めに利用しましょう。
認知症で同じ話をすることに関するよくある質問

一人で抱え込まず、家族も休んで良い
認知症の方が同じ話を繰り返すのは、本人の性格ではなく認知症の症状によることが少なくありません。
大切なのは、
- 毎回正そうとしない
- 共感を優先する
- 適度に受け流す
- 必要な時は距離を取る
- 介護サービスやICT機器を活用する
という考え方です。
そして何より、
毎日同じ話を聞き続けて疲れてしまうのは決して特別なことではありません。
介護は頑張り続けることよりも、続けられることの方が大切です。
つらさを感じたら、デイサービスやショートステイ、ケアマネジャー、地域包括支援センターなどに相談してみてください。
一人で抱え込まず、家族も休んで良い。
それも大切な介護のひとつです。

コメント