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退院後の転倒が心配…家族が知っておきたい転倒予防のポイント

退院が決まると、多くのご家族が心配することの一つが「転倒」です。

「家で転んだらどうしよう…」
「また入院になったら…」
「骨折したら寝たきりになってしまうのでは?」

このような不安を抱える方は少なくありません。

私自身、これまで多くのご家族と関わってきましたが、退院前に最もお伝えしていたことがあります。

それは、

「慣れるまでが一番危ない。」

ということです。

この記事では、退院後に転倒しやすい理由と、今日からできる転倒予防についてお伝えします。

目次

退院直後は「大丈夫」と思う時期こそ注意が必要です

退院できるということは、自宅で生活できる見込みがあるということです。

しかし、それは「以前と同じように生活できる」という意味ではありません。

退院直後は、ご本人もご家族も生活に慣れていない時期です。

だからこそ、転倒リスクが最も高くなります。

「大丈夫」と思った時が一番危ない

現場で転倒した方のお話を聞くと、

「できると思った。」
「これくらいなら大丈夫だと思った。」

という言葉を、本当によく耳にしました。

特にご本人は、「病院で歩けたから大丈夫」「家なら問題ない」と考えやすい傾向があります。

だからこそ、退院直後は周囲の見守りがとても大切です。

転びやすい場所には共通点があります

実際に転倒が多かった場所には共通点があります。

  • ベッドの周り
  • 夜中のトイレ
  • 居室内
  • トイレ周辺
  • 家の周りや玄関

また、方向転換をした時や、急いで動いた時に転ぶケースも少なくありません。

退院が目前に迫っている、あるいは退院直後で足元に不安がある場合は、

過信せず手すりや歩行補助具などの福祉用具の使用など対策が重要です。

不安がある場合、ケアマネジャーや地域包括紫煙センターへ相談してみましょう。

転倒を防ぐために家族ができること

まずは生活環境を整えましょう

転倒予防で最も効果があるのは、生活環境を整えることです。

例えば、

  • 動線上の足元を整理する 
  • コード類を片付ける
  • カーペットのめくれをなくす
  • 滑りにくい履物を選ぶ
  • 夜間の照明を設置する
  • 必要に応じて手すりを設置する

こうした工夫だけでも転倒リスクは大きく減らせます。

起床直後や夜間などは特に注意しましょう

転倒は「歩き方が悪いから」だけではありません。

起床直後は血圧の変化が起こりやすく、夜間は暗さによって足元が見えにくくなります。

さらに、めまいやふらつき、体調不良が影響して転倒することもあります。

「いつも歩けているから大丈夫」と思わず、時間帯にも注意することが大切です。

具体的には、ベッド周りの手すりを整備したり、足元を照らす照明を整えることです。

夜間トイレの際など、立ち上がった直後にしっかりつかむものがあるのとないのとでは、

大きく違います。

骨粗しょう症がある方は骨折にも注意

特に高齢の女性では、骨粗しょう症によって転倒時に骨折しやすい場合があります。

一度の骨折が再入院や手術につながり、その後の生活に大きな影響を与えることがあります。

転倒しない環境づくりはもちろんですが、骨粗しょう症について主治医へ相談することも大切です。

「転ばない身体」より「転びにくい暮らし」を目指しましょう

転倒予防というと、筋力トレーニングやバランス練習を思い浮かべる方も多いでしょう。

もちろん運動も大切ですが、それだけでは十分ではありません。

暮らしの中で、

  • 危険な場所を減らす
  • 福祉用具を活用する
  • デイケアや訪問リハビリを利用する

こうした工夫を取り入れることで、安心して生活を続けやすくなります。

「歩けること」と「安心して暮らせること」は別です。

暮らし全体を整えることが、転倒予防につながります。

よくある質問

退院直後は付き添った方がいいですか?

可能であれば、生活に慣れるまでは家族が見守れる時間を増やすことをおすすめします。

特に最初の数日は転倒リスクが高くなります。

数日付き添い、生活の様子を把握できると安心です。

手すりは最初から付けた方がいいですか?

ベッド周りやトイレ周りなど、動きの切り替え(動き始め、立ち座り、方向転換など)が

生じる場所にあると安心です。

必要性が高い場合は退院前から相談しましょう。

実際に生活してから追加するケースも多いです。

福祉用具はお試しで使うこともできるため、ケアマネジャーへ相談しましょう。

転倒予防には筋トレが一番ですか?

筋力も大切ですが、それ以上に生活環境を整えることが重要です。

シンプルな環境整備は整理整頓です。

夜だけ転びやすいのはなぜですか?

暗さによる見えにくさや、起きたばかりのふらつき、眠気などが影響します。

夜間照明や手すりの設置も効果的です。

本人が「大丈夫」と言って対策を嫌がります。

この場面には良くでくわします。

無理に説得するより、一度試してみることをおすすめしています。

手すりを置いたり、工事をするのは、邪魔にもなるため、最終的には生活する本人が気に入るかどうかが重要です。

転倒を未然に防ぐことは重要ですが、転ばないことだけが重要なわけではありません。

本人と家族が豊かに生活することが最も重要です。

本人の生活を尊重し、相談しつつ進めましょう。

まとめ

退院後の転倒は、筋力だけが原因ではありません。

生活環境や時間帯、体調、そして「大丈夫」という気持ちが重なることで起こることも少なくありません。

だからこそ、私がご家族へお伝えしていたのは、

「慣れるまでが一番危ない。」

ということでした。

退院後の生活に慣れるまでは、一人で抱え込まず、家族や介護保険サービス、福祉用具なども活用しながら、安心して暮らせる環境を少しずつ整えていきましょう。

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この記事を書いた人

リハビリ専門職として病院・訪問リハビリ・介護保険分野などで20年以上現場に関わってきました。現在は介護施設の運営支援や現場改善にも携わっています。実際の現場では、介護疲れや家族関係、仕事との両立など、多くの悩みや葛藤を見てきました。このサイトでは、“理想論だけでは続かない介護”を前提に、一人で抱え込みすぎず、少しでもラクに続けるための現実的な情報を、現場経験をもとに発信しています。

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